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<META name="GENERATOR" content="IBM HomePage Builder 2001 V5.0.3 for Windows">
<TITLE>ピェンロー</TITLE>
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<BODY>マスターからおいしいなべの作り方を教えてもらったので
白菜がおいしくなったらぜひ、おためしあれ<BR>
<P>文芸春秋　　妹尾河童　著　河童のスケッチブック　　　１６５０円より抜粋</P>
<TABLE border="1">
  <TBODY>
    <TR>
      <TD><IMG src="penro2s.JPG" width="591" height="440" border="0"><BR>
     <B><U> 扁炉(ピェンロー)</U></B><BR>
      冬になると、何人もの友人たちから、<BR>
      「寒くなりましたね」<BR>
      と電話がかかってくる。日ごろ季節の挨拶などするはずのない奴が、<BR>
      わざわざ電話をかけてくるのだから、その魂胆はすぐにバレる。<BR>
      それは我が家の「ピェンロー」と呼ぶ鍋料理を食べさせろ、とさいそく<BR>
      いう催促である。この前の冬も、一週間に客が入れ替わり立ち替<BR>
      わりで、なんと三回も作らされたことがあった。でも飽きないか<BR>
      ら不思議だ。我が家に出入りしている連中の人気投票では、この<BR>
      鍋は常に第一位で、その座を三十数年間も守りつづけている。<BR>
      この「扁炉(ピェンロー)」なる鍋料理は中国料理ではあるが、<BR>
      レストランのメニューには載っていない。ぽくに教えてくれたの<BR>
      は、中国大陸に永く住んでいた人で、これは広西省の田舎料理だ<BR>
      といっていた。<BR>
      「扁」とは「ささやかな」とか「素朴な」という意味だそうだ。<BR>
      文字どおり中国の&quot;素朴な白菜鍋〃だ。味つけは&quot;粗塩〃&quot;胡麻<BR>
      油〃&quot;一味唐辛子〃だけなのだが、「ピェンロー」と聞いただけで<BR>
      常連が群がってくる絶妙の味になる。<BR>
      明日も食いしん坊が集まってくることになっている。ちなみに<BR>
      面々の職業は、作家、編集者、演劇関係者、料理人などと様々。<BR>
      「えっ、雑誌の取材なの。でもいいや、写真を撮られるぐらいは<BR>
      我慢する」といっていた。<BR>
      この鍋のいいところは、「えいやっ!」と大ざっぱに作っても<BR>
      間違いなく美味しいこと。<BR>
      客がやってくる一時間前から作りはじめても、悠々と間に合う<BR>
      ほど簡単なのである。だから友人を招くことが苦にならない。<BR>
      <BR>
      まず五人前の材料。<BR>
      ○白菜-株。(5センチにザク切りし、根っこに近い白い部分と<BR>
      　　グリーンの部分を分けておく)<BR>
      ○干し椎茸50グラム。(水に浸してもどしておく。もどした水は<BR>
      　　ダシが出ているから捨てるのはモッタイナイ。当然これは使う)<BR>
      ○豚肉500グラム。(バラ肉の薄切りを食べやすい大きさに切る。<BR>
      　　　ロース肉でないほうがいい。一人分100グラム見当)<BR>
      ○鶏肉500グラム。(モモ肉を一口大に切る。、一人分100グラム見当。<BR>
      　　　脂肪分を気にしない若い人には手羽先でも結構。ササミは味が<BR>
      　　　出ないからダメ)<BR>
      ○春雨-袋。(水にもどし、鋏で適当な長さにカット。中国産のりゆうこう<BR>
      　　山東省龍口の「緑豆春雨」がいい。溶けてドロドロにならない上<BR>
      　　等品。手にはいらなければ、ビーフンで我慢してもいい)<BR>
      ○胡麻油(精製した極上品より、普通の胡麻油。色がついていて香りの<BR>
      　　　強いもののほうが適当である)<BR>
      ○調味用の粗塩。(精製した卓上塩でないほうがいい)<BR>
      ○一味唐辛子粉、少々。<BR>
      さて作り方だが、大きい鍋に白菜の白い部分を放り込み、タッ<BR>
      プリ水を注ぐ。そのとき椎茸をもどした水も忘れずに使う。<BR>
      沸騰してきたら、豚肉、鶏肉、椎茸を全部ぶち込み、胡麻油を<BR>
      大匙4杯ほどタラタラ。<BR>
      材料を鍋に入れる順序や火加減などに気をつかう必要はまった<BR>
      くない。しばらく煮て、途中で取り分けて残しておいた白菜の青<BR>
      い葉っぱの部分を追加する。時差をつけて入れると、先に放り込<BR>
      んだ白い部分と同じ柔らかさになる。<BR>
      この鍋は、日本料理の白菜鍋と違って、白菜がクタクタになる<BR>
      ほど煮たほうが美味しい。煮る目安は四十分。ただ煮るだけ。<BR>
      だから招いた客が早くやってきても、お喋りをしていればいい。<BR>
      最後に春雨を入れる。春雨は煮すぎないこと。<BR>
      <BR>
      べる直前に、もう一度胡麻油をタラタラと&quot;の&quot;の字を書く<BR>
      ようにタップリと垂らす。これでピェンローは出来上がり。<BR>
      という具合に作り方は簡単だが、作り方よりも食べ方が大事。<BR>
      鍋の中は味つけをしていないから、食べる本人が各自で味をつ<BR>
      すく<BR>
      ける。自分の椀に塩と唐辛子粉を入れ、鍋の汁を掬って溶かす。<BR>
      それをつけ汁にして食べるわけだが、この鍋に限っていえること<BR>
      は、少し塩加減が濃いほうが美味しい。もし「思ったほどの味じ<BR>
      ゃない」という人がいれば「それはご自分の味つけが悪いせいで<BR>
      すよ」といえばいいので気が楽だ。<BR>
      食べ方でもう一っ注意することは、お客に「汁は飲まないでく<BR>
      ださい」ということ。<BR>
      後でこのスープに御飯をいれて、&quot;ピェンロー粥〃を作るため<BR>
      に必要だからだ(といいながら、ぽくは客の目を盗んで、こっそ<BR>
      りと飲んでいる。熟練した客も盗み飲みがうまい。それほどスー<BR>
      プの味がケッコーなのだ)。<BR>
      とにかく、残りスープで作った粥は、満腹の人もパスできない<BR>
      ほどの味で絶品である。<BR>
      熱い粥を食べるとき、冷たいベッタラ漬けで舌を冷ましながら<BR>
      食べると、さらにウマイ。<BR>
      蛇足的にいえば、間違ってもネギや人参、春菊などを加えない<BR>
      こと。これはみんな何度かの経験で失敗ずみ。野菜は白菜だけに<BR>
      してほしい。<BR>
      とにかくこの鍋は、白菜と塩と胡麻油の美味しさを再確認する<BR>
      ことに尽きる料理だと思う。<BR>
      いままで料理などしたことがない中年男がたった一回で覚え、<BR>
      名料理人を気取っていたが、この鍋は、口うるさい鍋奉行の出番<BR>
      もないし、年齢、性別に関係なく誰にでもできるのが身上だ。<BR>
      さて我が家では、この冬、何回食べることになるのかなあ?<BR>
<IMG src="penro1s.JPG" width="591" height="394" border="0"><br>
      </TD>
      <TD></TD>
    </TR>
  </TBODY>
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