-組織暴力 兄弟盃-
監督:佐藤純弥 出演:安藤昇 菅原文太 待田京介 野添ひとみ
戦後の一時期に「東京私設警察」とか「銀座私設警察」と称された、実在の組をモデルにしており、他にも何本か映画化されているはず。本編では、安藤昇と菅原文太が盃兄弟としてメインになっている。
冒頭の闇市のシーンで、ひろこ(野添ひとみ)がパンパンにされそうになってるのを見て、復員したばかりの木島(菅原文太)が割って入る、この辺りは、『仁義なき戦い』を髣髴させる、「アメリカさんを楽しませるのもお国のためだ」と言う愚連隊に対して、「何が、お国のためだ!」さすが、文太! ところが、反対に、愚連隊にボコボコにされる。
「てめえみたいな馬鹿がいるから日本が戦争に負けるんだ!」
そこに登場する大場(安藤昇)、背中には「命売ります」の文字が。
「戦争に負けて悪かったな」
ううむ、最初から、決まり過ぎ、、、ゾクゾクするねえ。
安酒屋で、文太の治療をしながら、安藤昇が言う。「どうだ、俺と組まねえか」
こうして、大場(安藤昇)と木島(文太)は大場組を旗揚げする。
場面変わって、戸川組系松木組の酒場で飲んでいる大場組の面々、
「兄貴、すいません、もう一杯」
「仕様がねえなあ、おめえ達は、よく飲むなあ」
やっぱ、若い衆からも人望のある文太。そこで、松木組相手に暴れることになるのだが、いきなり、ブスリと一突きってのが凄い、さすが文太。
『仁義なき戦い』なら、♪ぱああああああん、ぱああああああん♪と音楽が入るところ。
手打ちの条件として、松木を殺した木島(文太)の所払いを宣言する戸川組幹部・竹上(渡辺文雄)。食ってかかる大場(安藤昇)だが、文太はあっさり引き下がる。
「わかったよ、兄貴、俺が銀座ふけりゃいいんだろ」
さすが、男やのう。
潔く去ってみたものの、むしゃくしゃする文太。そこで、戦友の菅谷(待田京介)のカミさんを助け出すために、松木組の仕切る米兵向け慰安所(パンパン宿)へ潜入。この菅谷のカミさん探す場面までが、文太の見せ場だな。後は、安藤昇の映画になってる。
菅谷(待田京介)のカミさんと一緒に、ひろこ(野添ひとみ)も助け出したのだが、結局、菅谷(待田京介)は松木組に捕まり、余波で大場(安藤昇)も MP に捕まってしまう。ここで、文太は自首して出る、
「俺がパクラレたら、兄貴もここを出られるだろ」
「木島、おめえってやつは、、、」
それから三年、文太が出所してみると、世の中は変わっていた。外車の中で、大場(安藤昇)が言う。
「で、俺達も生き方を少々変えたって訳さ」
「生き方をねえ、、、」
この段階で、文太が「経済ヤクザ」にはなれそうもないことを暗示している。
竹上(渡辺文雄)との抗争でも、文太は、大場(安藤昇)に食ってかかる。
「アホらしい、喧嘩したり手打ちしたり、それが組織の掟か!」
「木島、そろそろ大人になれ」
大人しくしていた文太だが、町工場のオヤジの不渡り手形から、大東金融に介入、さらに東亜重工にも介入。そして田所代議士(小松方正)を誘拐、竹上(渡辺文雄)や黒幕の加納(内田朝雄)とも対決することになる。
しかし、この内田朝雄の憎たらしさ、ヤクザ映画のフィクサー役としては欠かせないけど。
結局、大場(安藤昇)も竹上(渡辺文雄)も死に、文太は加納(内田朝雄)を追いかける。しかし、最後には警官隊に包囲されて撃ちまくられる。何だか『太陽にほえろ』みたいな死に様だった。
安藤昇に東映に引っ張ってもらった文太が、盃兄弟として共演していることといい、後の『仁義なき戦い』を始めとする「東映実録モノ」を思わせる作りといい、感慨深い作品と言えるだろう。
(Clliford)
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