-仁義なき戦い 代理戦争-
監督:深作欣二 出演:菅原文太 小林旭 梅宮辰夫
シリーズ三作目ながら、二作目が番外編のような感じなので、実質的には続編ということになる。飯干晃一の原作では、《死闘編》に続く《決戦編》の前半部分に相当する。
東映実録モノの看板として、キャストも超豪華、一作目からの菅原文太、金子信雄、田中邦衛、山城新伍ら呉の面々に加え、加藤武、小林旭、成田三樹夫ら広島ヤクザが登場。さらに、梅宮辰夫も(一作目と別役、明石組幹部・岩井)眉毛を剃って復活している。

話の方は、山守(金子信雄)とは距離を置きつつ、呉で組を成す広能(菅原文太)に、広島・村岡組や日本最大暴力団の神戸・明石組が絡んできて、ある意味では「戦い」より「盃外交」が中心になっている。

侠気の塊のような広能(文太)は、村岡組の後継者と目されていた打本(加藤武)と明石組の縁を取り持ってやることに。この加藤武の情け無さが、もう出色、なんで、こんなオヤジが親分なのか?
ところが、村岡組の跡目は、結局、山守に譲られることに、ここでも文太は、引っ張り出される。広島が自分のものになると分かった時の、山守(金子信雄)の喜びようが、かわいい。
「おい、わしゃこの世へ向いて親分になるために生まれてきたようなもんやで。運のええ男よ」

自分の甲斐性の無さを棚に上げて、悔しがって、広能(文太)にヤツ当たりする打本(加藤武)、情け無い。身内に早川(室田日出男、結構いい味出してる)みたいな風見鶏を抱えてるくせに。

そこへ、同じ中国地方で、小森組と浜崎組の戦争が勃発、山守−槙原(田中邦衛)ラインに早川を巻き込んで、打本会への攻撃を試みるが、やっぱり、相変わらず、田中邦衛はイモ引きまくり。

山守組では、合併した旧村岡組の武田(小林旭)を中心に、組に筋を通そうとするものの、親分自らいい加減で、イモ引きや身勝手のオンパレード、旭が頑張っても、どうにもまとまらない。中でも、松永(成田三樹夫、二作目とは別役)のいい加減ぶりが出色。冷酷なやり手のように見えて、四国に遊びに行ったりもする。明石組につくか戦うか、を問い詰められた時の台詞がいい。
「どっち言うて、わしゃ、どっちにも恨みは無いけん、中立でおるよ

広能(文太)は、武田(旭)にも引っ張り出されて、明石組に対抗する神和会と山守組の縁組にもひと肌脱ぐことになる。ここら辺は、頼まれれば嫌と言えない侠気の故としても、少し人が良すぎないか?
案の定、明石組と神和会の巻き返しを食らい、それに乗じた山守(金子信雄)によって、広能(文太)は破門されてしまう。打本(加藤武)は頼りにならないし、おまけに、子分(渡瀬恒彦)まで殺されるし。

盃を交わしたり、返したり、人間関係が錯綜していて、でも、そこが面白い。しかし、考えてみると、金子信雄の狡猾さ、田中邦衛のイモ引き、加藤武の優柔不断、成田三樹夫のハチャメチャ、小林旭のシブさ、梅宮辰夫の顔の怖さ、なんかが目立っていて、文太の影は薄いような気がする。名作だけど
(Clliford)
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