-太陽を盗んだ男-
監督:長谷川和彦 出演:菅原文太 沢田研二
長谷川和彦の奇蹟的な邦画アクション大作。
文太は警視庁警部補山下満州男役として登場、手作り原爆で国家権力やマスコミを翻弄するイカレポンチの理科教師沢田研二と対決する。

中学理科教師である城戸(沢田研二)は、どこか醒めた性格で、怠惰な教師生活を送っており、生徒にも「フーセンガム」と揶揄される体たらくである。
ある日の学校遠足の帰途、沢田の担任クラスのバスが、きち*いジジィの伊藤雄之助に突如バスジャックされる。この教え子たちの危機に、沢田は、機関銃や手留弾で武装した伊藤に飛びかかるがあえなく失敗する。そして、伊藤の「天皇陛下に会わせろ」との要求通り、とりあえず皇居方面へとバスは向かう。
ここで、バスジャックの通報を受け駆けつけた警部補菅原文太は伊藤に駆け寄り、説得と見せかけて飛びかかり、血飛沫ものでこの危機を収拾する。文太いきなりの侠気大爆発!
この身を挺して危機を救ったありさまを目のあたりにしていたジュリーが文太の男気に惚れないわけがない。以後、本筋に入っていくにつれ、なにかと文太を意識するようになる。

理科教師の知識を駆使して、なんとか原爆を完成させた沢田は、
「ナイター中継を試合終了まで放映しろ」
「ローリング・ストーンズを日本へ呼べ」
などとムチャな要求やり放題でマスコミや国家権力を翻弄し始める。

冒頭のバスジャックで菅原のほとばしる男気に惚れた沢田は、のちに、「あんたとなら何かできると思ったんだ」と菅原にうちあける。だがそこは義理に厚い文太、
「俺は国の犬だ!」
と、沢田を罵倒する。つまり、文太は、おマンマ食わせてもらっている国家権力への仁義は忘れていなかった。

しかし、なぜに文太を国家権力側の人間として描いたのか。
それは、文太という義理に堅そうな、いかにも律儀そうな人間は、反社会的集団であるヤクザ、また国家という組織に対しても忠誠を誓うものである。ここでは、人間という一つの個が、集団によって都合のいい人間として扱われているという長谷川監督一流のアイロニー描写としても解釈できる。つまりは、集団の倫理において文太は、格好のバカ正直で扱いやすい人間として描かれているのだ。

クライマックスでの屋上での格闘シーンで、文太は沢田にピストルで5〜6発打ち込まれてもなかなかくたばらない。文太は最後の力を振り絞って沢田にしがみつき、ビルの上から飛び降りんとする。文太は死んでもお上への義理を通すつもりなのだ。

そして最後は大どんでん返しが・・・。
(すす)

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