-鉄拳 TEKKEN-
監督:阪本順治 出演:菅原文太 大和武士 シーザー武士
ボクサー・大和武士と、トレーナー・菅原文太のボクシング浪漫。
どうせ「どついたるねん」の2番煎じかなぁ...なんて思ってたけど、こりゃ違う!
プロボクサーを引退した後、株式会社中本木材の社長の座を跡継いだ文太兄ィ。今日も仕事そっちのけで道楽のボクシングジム経営に精を出し、社長室のソファに座って我がジムの戦績表とにらめっこ。しかし渋面から吐き出される言葉は
「くされ...オ×コ...」
そう、最近は骨のある若者がいないため、このジムから世界チャンピオンなんか出そうにないのだ。悲観する兄ィ。
そうだ。仕事の片手間にやっているからイマイチ成果が出ないんだ、と気付いた兄ィ、会社の古参であるハナ肇に「仕事は辞めて、ボクシングに専念したい」とボヤく。
毎日そんなボヤキを聞いてきたハナ肇も今日はちょっとカチンと来たらしく、「えぇ。どうぞどうぞ。お辞め下さって結構です」
おもむろに拡声器を掴んだ兄ィ、伐採現場で働く社員たちに向かって
「みなさん。俺は今日で社長を辞めます。お世話になりましたー。ほーたーるのひーかーぁり、まーどのゆぅーきー」
と大騒ぎ。
その頃、岡山の少年院出身の暴れん坊・大和武士は、レンタカー屋の従業員に「貴様はロボットか!」と罵声を浴びせながらプレハブ店舗をブッ壊すという大騒ぎ。
さっそくスカウトへと、武士が住むアパート・エンゼル荘(大家さんは南伸坊)におもむくものの、仔犬の鳴き声にビビる兄ィ。
「あわわわわ。ちっちゃいとき闘犬に連れて行かれて以来、犬はダメなんだよぅ」と階段下まで後ずさる兄ィは、武士の干支にさえこだわるオバキューぶり。
ろくなトレーニングも無しにトントン拍子に勝ち上がる武士、明日はいよいよタイトルマッチという日、景気づけにドライブに出たが、ついつい湧き上がるボルテージにアクセルもベタ踏みになろうというもの。あっさりダンプのケツに突っ込んで大騒ぎ。
集中治療室で、ツブれてしまった武士のコブシにバンテージを巻く兄ィ。泣くな。
そして夢も職も失った兄ィ(うかうかしてるうちにハナ肇に会社を乗っ取られた)、メシを食うためにゲームセンターで働きはじめるものの、仕事をミスって店長の山本竜二に怒鳴られる日々。
生きるのが嫌になった兄ィは酔っぱらって立ち小便。ふと見やった先には和紙工房が。そして、そこには義手を器用に操って紙を漉く原田芳雄の姿があった。
ユーレカ! ユーレカ! これだ!
芳雄に頼み込んで義手の入手先を教えてもらう兄ィ。
案内された先は、マサチューセッツ工科大学出身の獣医が営む動物病院であった。この獣医が、神経系と融合させたロボットアームを秘密裏に開発していたのだ!
そして武士は右のコブシを機械化し、復帰を目指して山ごもりをする。
兄ィは山小屋を建て、アスレチック施設をつくり、旧知のトレーナー・大和田正春(その昔、赤井英和を半殺しにした人)を呼び戻す。
武士のリハビリも順調に進み、痛みをこらえて放つ右はまさしくハンマーパンチの威力。
しかしここで大きな敵が立ちはだかる。
シーザー武士(みなさんご存じシュートボクシング(投げもあるキックボクシング)の創始者)率いるバイク軍団C.C.C.(Caesar's Cleaning Company:勝手に命名。TSUTAYAの親会社じゃないよ)だ!
この軍団、なんと「身障者は汚らわしいから死ね!」と街を"掃除"して歩く、ネオナチとK.K.K.とシティ・エンジェルズと暴走族(非行助長集団)と私立中学生が混ざったような理念を尊守する団体なのだ!
目をつけられた武士(大和のほう)、脳天にカカト落とされた上に愛犬を殺られてしまう。
さらにC.C.C.は原田芳雄の家を襲撃し、義手をバイス(万力)にはさんでブッ千切る! さらに「怖い怖いと思ってるヤツを殴るほうがもっと怖いんだよォォ!」と、泣きながらローキックを側頭部にブチこむシーザー。芳雄、絶命。復帰戦のチケットを持ってきた兄ィも跳び蹴られ、失神。
おりしも復帰戦前夜の出来事であった。
芳雄の漉いた和紙をバンテージがわりにコブシに巻き付け、芳雄のはめていた軍手をグローブがわりにはめて、決闘の舞台となる山頂(ナスカのハチドリ絵が描いてある、粋な石切場)を目指す兄ィ。行くのだ!
シーザーの弟子だけあって足技が得意な若者たちを相手に、足を止めて打ち合う兄ィ。
打。
打。
極。
投。
打。
打。
打。
(夢枕獏ふう)
しかし、ボクサー出身のためか、もらい続けたローキックのダメージが蓄積してきた兄ィ、またも跳び蹴られてピンチ!
そこに、試合を放っぽりだして、盗んだソバ屋のバイクで駆けつける武士! ザコの相手は任せたぞ!
キチガイシーザーと対峙する兄ィ。
「誰だ?」
「誰だ?」
バシッ(右フック)
バシッ(右フック)
「うぉー」
「うぉー」
オウム返し法(ゲーム理論?)を主戦法とするシーザー、急に現役時代を思い出したかのようなキックの嵐。
シーザーの容赦の無い蹴りに攻められる兄ィだったが、チョキで目潰しがキレイに決まって形勢逆転。最後は助走をつけて
「エルボォ〜ドロォップ!!」
空振り!
でも偶然カカトがシーザーの頭を打ち抜いて決着。
ギュウと唸ってシーザー絶命。
C.C.C.を退治した兄ィと武士、バイクのおかもちに入っていたのびのびのモリソバで乾杯。
かん高い声が響くエンディング・テーマは「JUSTICE」by徳永英明だ。
ははぁ。同年(1990年)に公開された「DISTANT JUSTICE」へのオマージュかなぁ、なんていう感慨はまったくの的外れ。
(ABE)
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