回想

粋な三角マークの東映。ビデオでは大変お世話になっており、そも東映が無ければ文太兄ィも存在し得なかったであろう(私の中で今の形には)。
レンタル屋では心沸き立つタイトルを背に掲げ、我々の視覚と嗅覚にこれでもか、と刺激を与えてくれる東映。
はて? 最近、東映の劇場で何か観たっけ? 東映っちゃあアニメばっかりだしなぁ。
いや、何かあったな。去年の、そう、今ごろ。そうだ、「北京原人」だ。
チケット屋で底値450円という、幸福のなんとかっていうアニメ映画に次ぐ安値を記録した、北京の女優にヒゲの剃り跡が見えた、あの映画だ。
そういえば、あんなの定価で観に行っちったなぁ。プレミアが付くと思ってパンフまで買っちったなぁ。

今年は......え? 「残侠」?
20世紀末、ロケット時代、Y2K-1の今、「残侠」ぉ?



問題

部屋の石油ファンヒーターは、とうの2時間前に石油が切れました。どうやら室温はセ氏6度らしいです。タバコももうありません。トイレット・ペーパーもあと半ロールでおしまいですし、米も残りは3合ちょっとです。
でも、そんな、モノなんかどうでもいいんです。物欲なんかありません。でも何か足りないんです。何が渇いているのかわからないのです。

そういえば。
今日は「残侠」の公開初日でしたね。たしか、初回は11時50分からでしたよね。
よし、落としたものを探してきます。


状況

で、着きました。起きてから18時間経ってます。ちょうど眠い。
いや、目を覚ますのだ。やる前から負けることを考える奴がいるか。うし。20分前に入場。パンフも買った。扉を開く......




公開初日の
1発目だってのに
誰もいねぇよ!

オイオイオイ目を覚まして下さーい。(by小川直也)

まぁ眠け覚ましにコーヒーでも飲むか、とロビーに出たら、おりました。同志。
「50分から?」と、尋ねるは歳の頃50台前半の野球帽+ジャンパー親父。「あと20分ありますねー」と答えると、「アターっ。20分かよ!」と、どっかに行っちゃいました。
150円で買える温もり・缶コーヒーを飲みながらパンフを開いてみると、なんと見開きで「東映ヤクザ映画作品リスト」なるものが!
写真が高倉健&鶴田浩二。
作品総数300弱。
この数にちょっと怯んだ隙に、善なる自我が問いかけてくる。

「オマエはこのうちの1割を観たぐらいで変な雑誌とかムックの影響で癖が付いて、映画を斜めっから観て悦に入ってんじゃねーの?」「だいたい、任侠映画なんてちゃんと観たことねーだろ?文太のトンパチぶりを観てヘラヘラ喜んでるだけじゃねぇか?飛車角、ちゃんと観たのか?」「良い物を数多く観てないってことに気付いてるんだろ?でもつまんねー映画観て笑って利口だと思ってんだろ?」

あわわわわ。ごめんなさい。今日から真面目に映画を観ます。
だから、真面目に観る任侠映画も今日が初めてです。今までの粗相を許して下さい。
よし、真面目に観るぞォー(by福永法源)。あ、こういうのも止めますハイ。

ところが!
そんな改心した僕を、開演直後に襲ったものとは!


その前に客層をチェック。みんな目を覚ましたのか、押すな押すなの大盛況でした。
観客総数およそ 8
うち、ジャンパー+帽子の50台オヤジさんが3人。
平均年齢だってそんなに高いわけじゃない。競輪場じゃあるまいし、平均約 52歳。
30年前は20歳前後ってことだから、こんなもんなんでしょうね。




感情

-残侠- 監督:関本郁夫 出演:高嶋政宏 天海祐季 加藤雅也

上映前の予告編だ。
何がって、改心した僕を裏切ったのは!
前述のような反省を踏まえて、そう、真摯な気持ちで三角マークを待っていた僕達の目に飛び込んできたものは、

「少女革命ウテナ」ー
「逮捕しちゃうぞ」ー
「ガンドレス」ー
「のび太の結婚前夜」ー

タイトルまで憶えちった......

そんな予告編、隣の「リング2/死国」の会場で流せ! バカモノ!

いちおうその後、「鉄道屋」と「英二」の予告編というかスポットCMみたいなのが流れたが、「健さんが寒くて手ぇ擦ってる以外は機関車の映像のみ」「長渕が海で溺れてる映像」で、落ち込んだモチベーションをどうやって盛り返せと言うのか。くわっ

どうしようかとオロオロしてたら、すぐに三角マーク。

セットの中を高嶋がピョコピョコ歩いてやがる。

あ〜ぁ。

えぇと、ダメなもんはダメ。ストーリーを話す気になれない。
美しくない様式なんて、ただのformatじゃねぇか。フロッピーのクラスタのほうが綺麗だよ!

客人が死んで、妻の前で涙を流す親分。演歌(歌・中条キヨシ)をバックに出入り。しかも、子分を2人連れて。「唐獅子牡丹」より後退してる!
ラストもカタルシス全くナシ。
オーラスは「あんたぁ〜!」と叫ぶ女房の顔の止め画。なんじゃこりゃ。

高嶋政弘、ペンギンじゃねぇんだからペタペタ歩くな!

ビートたけしと本田博太郎の悪役コンビ、もちっと出番が欲しかった。あれじゃ殺される理由に欠ける。中井貴一、「五人斬りの政」ていうわりに殺陣が大味。ブランクがある設定だけど、にしても弱すぎ

ただし、志賀勝はちゃんとオチャラケてるし、古田新太もイイ顔してた。ホッ。
あと、天海祐季は一度だけハイキックを見せたけど、腰が入ってなかった。

パンフに宣伝が載ってた俊藤浩滋・山根貞男「任侠映画伝」なんて、ちっとも読みたくなくなった。
...ん? 本?
「任侠映画伝」...2000円。「残侠」+パンフレット...2000円。

しまった! そっち(本)が正編だったか!
(あべ)
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